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何のために働くのか――。多くの人が一度は抱える悩みです。ディップ株式会社で採用コンサルタントとして働く青木公佑さんはこの問いに対し「出会って良かったと思ってもらいたいから」と言います。この言葉の真意とは何なのか、インタビューしました。
◆昔から人を喜ばせることが好きだった
大学生時代は、とにかくアルバイトに明け暮れていたと言う青木さん。
「ファミリーレストラン、テーマパーク、コンビニの3つをかけもちしていたこともあります。あまりにも働きすぎて、収入が40万円になった月もありました」。
学費や将来のためなど、必要に駆られていたわけではありません。
「接客の仕事が好きだったし、何よりバイト先の人たちに会いに行くのが楽しみだったんですよね。とにかく、人が好きなんです。40万円は、後輩に奢り続けていたらあっという間になくなっちゃいました」と、照れくさそうににっこり。
多くの経営者が人生の指針にしている「利他主義」という言葉があります。「人を喜ばせたい」「誰かのためになることがしたい」と常に考えている青木さんは、まさに「利他主義」の人。就職活動の際にも「企業と人をつなぐ存在になりたい」との思いを軸に、バイトルなどの求人情報サービスを運営する「ディップ株式会社」に入社を決めました。
◆お客様のファンになる
青木さんの仕事は、顧客である企業に「どんな見せ方をすれば求人が集まるのか」「どんなツールを使えば課題が解決できるのか」といった提案をすること。その上で大切にしているポリシーは何より「お客様のファンになること」だと、まっすぐな瞳で話します。
「私、実は営業があまり得意ではないんです。グイグイ売って成績をあげるのが良い営業マンなのかもしれませんが、自分にはどうも向いていなくて。でも、私たちが何より優先すべきはお客様の利益。そのためにはまずお客様としっかり向き合い、どうすれば魅力的に見えるかをじっくり考え、最適な提案をすることだと思っています。だから、営業マンとしてのトークスキルを磨くよりもまずは誰よりもお客様のことを好きになるのが大切なんじゃないか、って」。
実際、青木さんが担当した顧客からは「営業とクライアントの関係ではなく、一人の人間として接してくれたのがうれしかった」と言われることが多いそう。
「やっぱり、青木さんに担当してもらえてよかったと言われると、やりがいを感じますね」。
まさにこの仕事は「人が好き」という青木さんにとっての天職なのかもしれません。
◆「出会い」の場を与える存在に
新型コロナウイルスの流行は、雇用にも大きな影響を与えました。次第に回復の兆しは見せているものの、相手は未知のウイルス。この先、どうなるかは誰にもわかりません。
「仕事を必要としている人、人材を必要としている企業は絶対になくならないと思っています。働きたくても働けないという人を少しでも減らせるように、これからも企業と人とをつなぐ存在でありたい。この思いは今も変わらず、ずっと持ち続けています」と、力強く話す青木さん。
「私自身、妻とは大学生時代のアルバイト先で出会ったんです。過去の出会いがどこで自分の人生につながるのかはわからない。だからこそ、一人でも多くの人にそんな『出会い』のきっかけを作りたいんです。そして『出会えてよかった』と思ってもらいたい。そのために、まだまだ頑張ります」。
優しくほほえむ瞳の奥には、静かに燃える熱い炎が見えました。